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2022年3月3日にマイクロソフト社は Windows 上の Office アプリケーションについて、インターネットからダウンロードされたファイル(メールの添付ファイルなど)のマクロをブロックするようにデフォルトの動作を変更することを発表しました。
発表内容の抜粋:
VBA マクロは、悪意のあるアクターがマルウェアやランサムウェアをデプロイするためのアクセス権を取得する一般的な方法です。 そのため、Office のセキュリティを向上させるために、Office アプリケーションの既定の動作を変更して、インターネットからファイル内のマクロをブロックしています。
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この変更は、Windows を実行しているデバイスの Office にのみ影響し、Access、Excel、PowerPoint、Visio、Word の各アプリケーションにのみ影響します。
この変更は、2022年4月初旬の Current Channel (プレビュー) 以降、バージョン2203でロールアウトを開始します。 その後、この変更は、最新チャネルや月次エンタープライズ チャネルなどの他の更新チャネルで利用できるようになります。
これは悪意のある Office ドキュメントに対する防御の素晴らしい改善です。
この発表によると、マクロをブロックするかどうかはファイルの MOTW (Mark of the Web) 属性に基づきます。ウェブブラウザやメールクライアントなどのアプリケーションはインターネットからダウンロードしたファイルやメールの添付ファイルに MOTW を付けます。MOTW は NTFS 代替データストリームの Zone.Identifier に保存されます。
圧縮ファイルから展開された悪意のある Office ドキュメントのマクロをブロックするためには、圧縮展開ソフトウェアは圧縮ファイルに MOTW が付いている場合に展開したファイルにも MOTW を伝播させる必要があります。もし圧縮展開ソフトウェアが MOTW を伝播しなければ圧縮ファイル中の悪意のある Office ドキュメントはブロックを回避することができてしまいます。
ここで一つの疑問が思い浮かびました。「どの圧縮展開ソフトウェアが展開したファイルに MOTW を伝播させるんだろう?」 そこで私はいくつかの圧縮展開ソフトウェアをテストしてその結果をまとめました。
| 名称 | テストしたバージョン | ライセンス | MOTWの伝播 | デフォルトで有効 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| Windowsのエクスプローラの「すべて展開」 | Windows 11 25H2 | 有償 | する ✔️ | 有効 ✔️ | |
| 7-Zip | 26.02 | GNU LGPL | する ✔️ | 無効 ❌ *1 | |
| Bandizip | Standard Edition 7.45 | フリーウェア | する ✔️ | 有効 ✔️ | 特定のファイル拡張子のみ *2 |
| CubeICE | 3.6.1 | フリーウェア(有償版もあり) | する ✔️ | 有効 ✔️ | |
| Explzh | 10.01 | 商用利用は有償 | する ✔️ | 有効 ✔️ | |
| NanaZip | 6.5.1767.0 | MIT | する ✔️ | 有効 ✔️ | 特定のファイル拡張子に限定する設定が可能 *3 |
| PeaZip | 11.2.0 | GNU LGPL | する ✔️ | 有効 ✔️ | |
| TC4Shell | 21.3.0 (試用版) | 有償 | する ✔️ | 有効 ✔️ | |
| Total Commander | 11.58 (試用版) | 有償 | する ✔️ | 有効 ✔️ | |
| WinRAR | 7.23 (試用版) | 有償 | する ✔️ | 有効 ✔️ | デフォルトは特定のファイル拡張子のみ *4 |
| WinZip | 77.0 (試用版) | 有償 | する ✔️ | 有効 ✔️ | |
| ファイルコンパクト | 8.00 | 有償 | する ✔️ | 有効 ✔️ | |
| Ashampoo ZIP Free | 1.0.7 | フリーウェア (登録が必要) | しない ❌ | ||
| CAM UnZip | 5.25.4.0 | 商用利用は有償 | しない ❌ | ||
| PowerShell の Expand-Archive コマンドレット | 7.6.4 | MIT | しない ❌ | ||
| Express Zip | 11.28 | 商用利用は有償 | しない ❌ | ||
| IZArc | 4.6 | フリーウェア | しない ❌ | "Propagate Mark of the Web"のオプションがあるが伝播しない *5 | |
| LhaForge | 2.0.1 | MIT | しない ❌ | ||
| Lhaplus | 1.74 | フリーウェア | しない ❌ | ||
| PowerArchiver | 22.10.02 (試用版) | 有償 | しない ❌ | ||
| StuffIt Expander | 15.0.8 | フリーウェア | しない ❌ | ||
| Windows 11の tar.exe (bsdtar) | 3.8.4 | BSD 2-clause | しない ❌ | ||
| Universal Extractor 2 | 2.0.0 RC 3 | GNU GPLv2 | しない ❌ | ||
| ZipGenious | 6.3.2.3116 | フリーウェア | しない ❌ | ||
| Zipware | 1.6 | フリーウェア | しない ❌ |
*1: 7-Zip はバージョン 22.00 から MOTW の伝播をサポートしましたが、デフォルトで無効になっています。7-Zip の GUI については 7-Zip File Manager の「ツール」→「オプション」→「7-Zip」にある「Zone.Id ストリームの伝達:」で MOTW の伝播を有効にできます。

オプションを「はい(Y)」に設定した場合は MOTW が全ての展開されたファイルに伝播されます。「Office ファイルの場合」に設定した場合は以下のファイル拡張子のファイルに MOTW が伝播されます:
MOTW の伝播はレジストリの HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\7-Zip\Options\WriteZoneIdExtract に 1 の DWORD 値を設定することでも有効にできます。
7-Zip の CLI については、上記のオプションの設定に関係なく -snz のコマンドラインオプションが必要です。
*2: Bandizip のドキュメントによると、Bandizip は以下のファイル拡張子のファイルに MOTW を伝播します:
私は以前にテキストファイルのみを含む ZIP ファイルで Bandizip をテストしていたため、Bandizip が MOTW を伝播しないと誤解していました。
*3: NanaZip はバージョン 6.0 Preview 1 から MOTW の伝播がデフォルトで有効になりました。NanaZip の GUI の「オプション」→「Integration」にある「Zone.Id ストリームの伝達」で MOTW の伝播の設定を変更できます。

「Office ファイルの場合」に設定した場合は、NanaZip は以下のファイル拡張子のファイルに MOTW を伝播します:
NanaZipはレジストリでシステム全体のポリシー設定が可能です。システム全体のポリシー設定はユーザの設定より優先されます。
*4: WinRAR 7.0で"Mark of the Webを伝播"のオプションが導入されました。以下の値から選択できます:
このオプションはWinRARのGUIでのみサポートされています。WinRARのCLIはオプションの設定に関係なくMOTWの伝播をしません。

デフォルトは「実行ファイルとOfficeファイル用」で、WinRARは以下のファイル拡張子のファイルにMOTWを伝播します:
「Officeファイル用」に設定すると、WinRARは以下のファイル拡張子のファイルにMOTWを伝播します:
「ユーザー定義された種類用」に設定するとファイル拡張子を指定できます。
*5: IZArc バージョン4.6で"Propagate Mark of the Web"のオプションが導入されました。デフォルトでは有効ですが、実際にはオプションの設定に関係なくMOTWの伝播は機能していないようです。
| 名称 | テストしたバージョン | MOTW 伝播の動作 |
|---|---|---|
| Windowsのエクスプローラの「すべて展開」 | Windows 11 25H2 |
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| 7-Zip | 26.02 |
|
| Bandizip | Standard Edition 7.45 |
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